「しずらい」と「しづらい」違いはなに?まずは結論から
正しいのは「しづらい」!文法的に根拠のある表現
まず結論から言うと、正しい日本語の表記は「しづらい」です。「しづらい」は「する」+「つらい」が組み合わさった言葉で、「何かをするのが困難・気が引ける」といったニュアンスを含んでいます。
現代仮名遣いにおいて、「づ」は「つ」が濁った音を表す際に使われるため、「しづらい」と書くのが文法的にも正解なんですね。
NHKや文部科学省の表記ルールでも、「しづらい」が正式な書き方とされています。言葉に迷ったときは、こうした基準を参考にすると安心です。
「しずらい」は間違い?つい書いてしまう理由
一方で「しずらい」は、実際にはよく見かける表記です。ですが、これはあくまで誤用。音の響きだけを頼りに書いてしまうと、「ず」と「づ」の違いに気づかず、「しずらい」と書いてしまう人も多いんです。
特にスマートフォンの予測変換やSNSの短文入力などでは、気づかぬうちに誤表記してしまいやすい傾向があります。ですが、変換しても「しずらい」とは出てこないのはそのせい。
ちょっとした違いですが、相手に与える印象が大きく変わることもあるので注意したいですね。
「しづらい」の正しい意味と使い方を覚えよう
「実行しにくい」「心理的に困難」な場面で使われる
「しづらい」という表現は、単に「できない」というよりも、「やりにくい」「ためらわれる」「気が進まない」といった感情を表すことが多いです。
たとえば、
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「言いづらい」
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「頼みづらい」
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「行きづらい」
などのように、相手に配慮したり、自分の感情に戸惑いがあるときに使います。直接的に否定したくないときのやわらかい表現でもありますよ。
具体的な言い換え例とそのニュアンス
「しづらい」を他の言葉に言い換える場合、以下のような表現が近いニュアンスになります:
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「言いにくい」
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「頼みにくい」
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「伝えづらい」
ただし、「しにくい」は物理的・技術的な困難、「しづらい」は心理的・感情的な困難という違いがあります。
たとえば、「この容器は開けにくい(=開けしにくい)」はOKですが、「この話題はしにくい」はちょっと不自然。そんなときに「話しづらい」という表現がぴったりなんです。